家の庭で 山鳩が鳴いている 一羽 鳴きながら止まっている きのうも見かけた 一羽 きのうとは違う山鳩か 雀が跳ねている 一羽 トタン屋根の上で跳ねている 蜥蜴が足下を過ぎていく 過去を引き連れた 未来の使者か 家の庭で 探し始めたきのうの名残り 空から記憶が雨となり落ちてくる気配 電線には山鳩はもういない トタン屋根にも雀はいない 足下を過ぎた蜥蜴の跡もなく でたらめに坂を下っていく 人々の行き交う場所まで