月別アーカイブ: 2022年6月

梅雨入り

梅雨入りした
と聞いてから
雨がやたらと憎い
とかく不便ではないんに。
車へ乗って
歩くのは数十メートル
それでも皆傘をさす
そんなに濡れやしない

雨が好きな理由を聞かれたことがあった
音がいいよね
と言った気がする
それから空気感

でも梅雨入りと聞くと
不思議と憎くて滅入る
不便ではないんに。
何度でも言うよ

明けた頃には
僕はきっと別の人間
また初めましてがはじまる

蝉の声に押されて
むっとした空気に押されて
一万円が一万五千円になる
魔法に押されて

ありがとうとごめんなさい
が言えるように
おはようとさようならを
言った

真夜中の満月は
梅雨空でも明るい
コンビニで
ビニール傘を買い替えて帰宅する