月別アーカイブ: 2021年9月

終わりから朝

夜中に目が覚めて
首の痛みを知る
ダイニングテーブルは眠りに到底相応しくない
昨日からまだ2時間しか経過していない
色々あったような気もするし
何もなかったような気もする
カーブへの侵入角度を間違って車を擦り付けたし
卵をいくつか無駄にしてしまったけれど
自分の身体は至って通常
心も澄み渡っている
思えば思うほどに
記憶とそれに伴う言葉の厳しさに
うんざりした
夜は夜としてとことん深い時刻
買ったばかりのウイスキーを開けて
コップに半分ほど注いで一気に飲み干した
焼けるように全身を洗う
異世界に行く準備ができた
そんな感覚
急に扉を開ければ
通りすがりの猫は驚くだろう
でも予告することはできない
やり直すこともできない
まだらな猫が暗闇で黒く染まるかもしれないが
扉は開かれるしかない
今日の心を捨てるのはもう容易い
十分すぎるほど諦めたから
もうすぐ、もう、すぐに
そんなこんなの朝
パンケーキを焼く
つもり