写真

永遠を突き放したいから旅に出る
日々はまるで虚ろいだから
食べたいものと飲みたいもので
満たされていく

とあるひとりの女優が
数十センチ先にいたとしても
彼と彼女は交わることはない
文字通り

日常のなかにいるのは
錯覚かもしれない
Tシャツを着たい日に
ネクタイをしめなければいけないように

風で泳いだ
君のスカートの残像が
見えた白の下着よりも
目に焼き付いて離れないのと同時に

一瞬にして消えていく
感情の痛覚を
ある人が写し出すそれは
とても美しい気がする