短い夜

あの音楽を知っているはずが
遠い昔のこと過ぎて
ほぼ初めてに等しくなっている

情景は思い出せても
それはまるでデジャヴのように儚い

わたしの発する
熱を放出したとしても
聞こえなければまるで意味がない

間違えて踏んだアクセル
驚いて飛んだ壁
気がつかずに過ぎた交差点

どれもこれも
わたしの自由の一部

繰り返される音楽とともに
夏のはじまりがもうすぐ終わる