さかなのえさ

かんじょうをこめたら
そこでコトバは
ちりとなる
ぱらぱらとくだけて
かぜにのって
やまをこえる
そしてだいちにしみわたり
あめによってしずんでいく
コトバはコトバをはっしない
それぞれのこえに
はんのうして
こころのなかでふるえている
ふるえたこころは
だれかのせいではない
じぶんのいちをたしかめる
ひとつのしゃくど
こっきょうをこえたら
そこはいこくではない
そらをこえたら
そこはうちゅうではない
くさりかけのじがに
みずみずしいたにん
じぶんめせんのコトバのさきに
なみだいろの海がみえる
さかなのえさには
ならないけれど
うたをうたってみようとおもう
うたったうたは
いつかかわききって
すなはまのすなのたしに
なるといいな