嘲り

笑い合えれば
それでいいはずだろ
世界の終末を
見に行くこともない
坂の途中で
転げ落ちることもない
ぼくが目指した
社会はどこにもない
子犬の周りには
いつも愛らしさが溢れ
本当のことは
ベストセラーの本でしか知れず
目を瞑れば嘲笑う声が
耳を塞げば蔑んだ視線が
言葉の温度を感じてほしい
言葉の速度を合わせてほしい
ぼくの発した感情を
あなたの尺度で量らないでほしい
決して銃弾を放とうとしているわけでもない
のんきに見えるだろうが
冷酷な風が吹きすさんでいるのだ
触れられない中間地点で
囁いていればいいだろ
決めるのはぼくらではない
笑い合えれば
それでいいはずだろ
星を集めて
夜を眺めよう
話し合いもない
誓い合いもない
たおやかな日々において
シェイクハンド
立場を結べ
成り立ちを使え
ぼくはぼくでない
ここでもない
あそこでもない
生きる孤独を抱え
すべてを知りたい
それでも尚
ぼくらの世界の縮図は
人々の感情の渦に巻き込まれる
評価、沈黙、評価、嘲り
さらば愛しいひとよ
さらば旅立ちのときよ