かこ

ホテルから

路地へ

路地から

公園へ

川をこえて

道をくねり

神社を過ぎて

角の小さな喫茶店へ

44年続くジャムをたべて

不思議なほど清らかな風が

店内を抜けていく

44年の風だろうか

ぼくのからだは

その年月にまだ満たない

そよそよとメダカの泳ぐ

カウンターで

うたた寝するみたいに

珈琲を飲む