深夜帯

深夜0時の
雨は
街中に染み渡る
音の消えたリビングで
過去における
ほんの数秒を思い出す
ひとつふたつみっつ
あの時のあれが
この時のそれが
未来において
ひとつの価値もない
思い出のそれらが
床に這いつくばって
埃まみれになっていく
美しいものを
美しく感じすぎたのかもしれない
よっつに分けて
息を吐いた
やっつに分けて
息を吸った
深夜1時の
雨は
逆再生みたいに
まんべんなく降り続く