とりあえず今日

安全ではない世界に
いくのは嫌だ
川へ飛び込んだこともないくせに
川へ飛び込むことを愚かに思うことも嫌だ
あすの朝刊で
君の記事が載ることもないし
三年後の夕方のニュースで
僕がノーベル賞に選ばれることもない
ないことは必ずない
次の駅で降りる必ず降りる
と誓えば
眠っていても大概起きる
目の前に大量の見知らぬ人の足が生えていても
驚きはするが起きる
安全の看板はどこにもない
夢にも落ちていなかった
こたつに足を入れることも実際恐怖だし
給与と休日のために会社に行くことも恐怖
恐怖に打ち勝って生きているとは
誰一人として言わないが
今日が昨日から作られていくことに
気がついていないのも事実
いや真実
流行りの言葉なら
それが現実とでも言ってハイファイか
正しいに味方して落胆する必要もないが
曲げてまで嫌悪する必要もない
あすの朝には
風は止んでいる
太陽は同じ方向から昇り
同じ方向へ沈んでいく
違う角度から風が吹き
季節が海から運ばれかえっていく
こんにちは
さようなら
とりあえず今日
あなたにあいたい