得ようとして
赤裸裸になる
避けようとして
赤裸裸になる
歩くたびに見かける
野草をつかんで
乾いた口のなかに
放り込むように
さっきまでの雷雨でできた
水たまりに投げた
君たちの記憶に
線引きをする必要などはないが
地球上で起きている
あらゆる戦争にそろそろ飽きはじめている
眠気覚ましに飲んだ珈琲よりも
ふいに読んだ言葉の一文のほうが
よほど目が覚める
欲望に悩むことはない
渇望することに蔑むことはない
ただ一度
その指を掴んでみたいだけだと
去り行く雷雲に向かって
舌を出した