真昼のこと

一番手前の路地を曲がったところに
運命の人がいた

でもそこは通り過ぎる
ある種必然みたいに

一日のうちで太陽が最も高いときに
公園へ行った

犬がいて恋人たちがいて走る人がいて
誰も知り合いではない

握りしめていた南アルプスの天然水は
すっかりぬるくなり

太陽は最も高いときを過ぎたが
体感としての変化はなかった

一番手前の路地を曲がって
家へ帰った

でもそこですれ違う人はいなかった
ある種必然みたいに

来た道を振り返っても
自分すらいない

次の角のコンビニで
ビールを買って帰ろうと思う

太陽が少しだけ
後ろにいた