善的暴力それから。

ときに
物語は大袈裟なほど遠回りをして描かれる。
時間の速度は一定ではないのだ。

とある人がとある人と知り合って
十年経つという。

長いのか短いのか
妥当なのかそうでないのか
僕は今よくわかっていない。

ごくごく控え目に言って
あらゆる物事に関心をもてなくなっている。
女性にもてないのは別にして。

水族館に行きたいと思う。
宛もなく車を走らせて
景色を眺めたりしてみたいと思う。

しかし
そこにはそれ相当の対価が存在して
求めれば求めるほどに
僕はますます関心をなくす。

結局のところ
善的暴力が空気中の割合を
だいぶ占めている。

それでも
一日は閉じていく。

僕は今でも
目を閉じるのを引きのばす。

明日は来るんだろう。
おそらく。

それから。