眠りたい 眠気は、眠りよりも親密にしてくる。 だれよりも近く、新しい日が始まっても尚。 でも、それはなによりも魅力的だ。 甘く気だるい美女の香水よりも、青空の下で飲むビールや深夜のウイスキーよりも。 飽きさせることなく、まとわりつく。 言葉にもならない、吐息でさえも、ときとして興奮させる。 毎日が休日であればいい。 もしくは、休日なんてなくなればいい。 そうやって、不確かな時間軸の中で目を閉じて、真夜中へ覚醒の一歩を踏む。 土の解けていく音がしている。