球体

湖のほとりに立ち
まるく抜けた空の中心に向かって息を吐く

一周してから帰ろうと歩き始めれば
数羽の鳥が水面を横切り
自由の欠片を与えてくれた

与えればこぼれそうな未来のなかで
だれにも気がつかれずに
その欠片をなめる私

あしたはもっと晴れるだなんて
おもわないの

あらゆるものに隔たれながら
球体のなかを泳ぐ
宛ら自由みたいに