波 溢れる涙をとめられなくて 空を見上げたら 雲が流れていた 今日はじめて見た雲は ほんのりと色づいていて やわらかそうに見えた なめたらどんな 味がするのだろう 触れたら壊れて しまうのかな 巨大な環状線を行く 細々とした粒が ぼくの顔面をかすめて 涙のあとを追うように 纏わりつく ぼくの涙はきっと 時間差だ だれかのいつかの 涙の。 あした海が見えたら 間違いなく ぼくは。 クラクションの音さえ 異なって聞こえる。