Katze

片時も離れず
その手は
ぼくの右の太ももに置かれ
ときおり
こちらを見上げながら
なにか物憂げな
瞳を投げる
のどを鳴らし
たまに
あくびを交え
しまいには
ひとりこたつに
取り残される
せめて
名前くらい呼んでくれないか
ゆるしたのは
君くらいだよ
もう一度真っ白な毛を
真っ白な毛を
掌のなかに