嵐の夜に

玄関を開けて
駆け出したら
思い掛けず嵐でした

逆立ちしても
追いつかない
いつぞの夢にむけて

思い立ち
駆け出したが
嵐がからだを打ちつける

無理矢理しぼり出した
知恵と勇気を

忘却の彼方に浮かぶ
愛と定めを

嵐の闇に
追いつかれ
追い越される

深夜の窓に映る
優しいひとを
かなしみに重ねて

嵐の夜に
ひっそり口ずさむ
故郷の詩