からきし

からきし
荒野であてもなく
先端は最もな場所に行き
友は知らず知らず大人になった

からきし
お風呂場で冴え渡り
騒がしい夜を向かえ
辞書を開く手間を省いた

からきし
まるで真の嘘のように
子等は道端を愛する
鞄はどこか異国の雰囲気

からきし
それは途方もない秩序で
花をただ美しいと発音する
なにもない日はどこにもいない

からきし
世界が目に見える欲望で渦をまき
形ない仕合わせを信じずに
騒がしいはどこかへいった

からきし
疑問は疑問符を持たず
音階は音符を持たず
世界は世界観を持たず

からきし
損なわれなくなっていく
からきし
悲しまなくなっていく
からきし
愛せなくなっていく

からきし
見渡す限りの真青の空を
なにもなかったかのような眼で
なにもなかったかのような鼓動で