シークエンス

映画館のスクリーンに向かい

ひとり

またひとり増えていくさま

ふたり

それからふたり埋もれていくさま

スクリーンに映し出される映像音声よりも

そこに向かい共有していく空間

ひとりという意識

まるでわたしが映画の中にいるような

少し背伸びした感覚

やあ、すてきな時間をありがとう

やあ、現実はとても草臥れて見えるよ

やあ、これがわたしの本来の姿さ

けれども夜は深まり

人は家へと帰っていく

わたしは映画館のどの場所にいて

どのシークエンスを見つめて

どの自分に出逢い話をしたのだろう

これも物語のひとつにすぎない

エンドロールに繋がるヒント

そのときは訪れる