七月、あの日

深い森の奥深く
声は彼方から聞こえてくる
あの夏の日に言ったあなたの声は
彼方から聞こえる声と重なった

見送る小学生の手の先に
積まれた石となくなった砂の数々
吹き抜ける風のなかでぼくらは
居眠りをして汗をかいていた

繋がったインターネット
起き抜けのメンソール
焦げ付いたパンケーキ
熟れ過ぎたズッキーニ

からころと転がす
サンダルの音にしがみついて
腕を大きく振って歩く姿
焼け付いた蒸し暑い夏の日差し

消え去った流行りの音楽
ヘリコプターは遠くに流れ
音だけが僕らのなかに谺する
それはまさしくきっかけに過ぎない

ぼくらが歩き呟いていた
微かな残像に変わりはない
水はいつまでも重力に敵わずに
地面をひたひたと濡らしている