よる

もうすでに
それは損なわれ 傷つけられ
あるいは 知らないところで 虐げられて
やってきたのだ
遠くの国の 見えない境界に戸惑って
ぐるん ぐるん 空を見上げながら
涙を堪えて 歩いてきたのだ
ぼくは 今パソコンを開いていて
電波という ふしぎな線で繋がっている
だれと
どんなふうに
どのようにして
訊かれても 答えられない
そして このように ぼくは
ごろごろと 人のうずに取り込まれていく
それは それで いいんじゃない
こどものこどもが 知ったことばをくちにする
もうどこか そこらじゅうで
星がきらきらしなくなって
木がそわそわし始めて
カバは大きくあくびをする
あしたも歩けよ ぼくのぼく