さすがのわたしにも声がする
もみくちゃの果実を食してみたら
わたしも虚栄心が増すのかな
さすがのわたしにも声がする
待ちぼうけの世界を訪れてみたら
わたしも自尊心が増すのかな
あのころの景色を思い出と呼んで
あしたの景色を思い出と呼べるのかな
大人の数を知らないけれど
わたしたちの声を聴いておくれよ
信じられることも
裏切られることも
もとを辿ればひとつのテーゼ
英雄の道で生きた男
革命の道で死んだ男
どちらも同じ人間らしい
時代が変われば
わたしだって犯罪者さ
さすがのわたしにも声がする
穴があったら入ればいいと云ってみたら
あしたの社会性が増すのかな
途方もない空に
大きな手を振るよ
旗の色もない
言い訳もない
途方もない世界へ
ただ一度の世界へ