大おとこ こわれた眼鏡から 大おとこたちを だまってながめた 大おとこたちはソファで 手足をひろげ あごをかたむけ 口をかすかにゆがめて うっすらとした場所を まるで関心がない抑揚で 隙間なく触れてくる 目を見ない 大おとこたち ことばは交えない 大おとこたち 彼等に雨音は 聴こえていない ぼくの眼鏡が こわれていることに 彼等は関心などないだろう たとえそれが 自らの眼鏡であったとしても