大おとこ

こわれた眼鏡から

大おとこたちを

だまってながめた

大おとこたちはソファで

手足をひろげ

あごをかたむけ

口をかすかにゆがめて

うっすらとした場所を

まるで関心がない抑揚で

隙間なく触れてくる

目を見ない

大おとこたち

ことばは交えない

大おとこたち

彼等に雨音は

聴こえていない

ぼくの眼鏡が

こわれていることに

彼等は関心などないだろう

たとえそれが

自らの眼鏡であったとしても