月別アーカイブ: 2018年3月

簡素への問い

壁の向こう側から
水の流れる音が聞こえる
最初から意味のないものごとを
まるで意味深きことのように当てめているのは
僕の悪い癖だった

スーパーマーケットで日用品を買い揃え
そのまま帰り道の喫茶店で珈琲を飲んで帰る
わがままを言うのは慣れている
言葉の鋭利な部分を磨き続けるわがままを
つまらぬ妄想で一日が過ぎていくのは常だった

ここ数日の天気の変動により
関節が微妙に軋んだり緩んだりしている
情報ほど味のしないものはない
たべたあとやたらと喉が渇く
欲しいものは共通するひとつのものだった

川を眺めながら歩いていると
大量の水が不必要なものを流してくれる
足りないものはなにもない
ただ目の前を吸収していけばいい
現実は思うよりずっと簡素だった