月別アーカイブ: 2018年1月

眠るかたべるか

夜に
とても大事な約束があって
わたしはなかなか起きられないでいた
なるべく朝を先延ばしにして

お昼のニュースを見ながら
パサついた食パンをかじり
期限切れの牛乳を温めて飲んだ

夕方になるにつれて
雲は灰色をより灰色らしくして
わたしをよりどんよりとさせた

夜の
とても大事な約束までの道で
わたしは水とサンドイッチを買って
公園のベンチに座ってたべた

なにかをたべずにはいられなかった
眠るかたべるかして一日を過ごし
笑うか泣くかして約束を過ごしたかった

鞄のなかで飲みかけの水が揺れて
音をたてている
主婦たちが買い物袋をぶら下げて
家へ帰っていく

約束までまだ少しだけ時間があったので
わたしはビールを飲んで本を読んで過ごした
無意味な一日がほんのり色づいてきた頃

約束とは反対方向へ歩き
家でビールを飲みながら眠ることにした
眠りながら約束の理由を考えて
起きたらまた別のことを考えて