色彩と線 ぼくの知らない見たこと無い 左手のひとつの指が(手の中で一番長い) ぼくの知っているが見たこと無い 右手のひとつの指に(手の中で二番目に長い) 確かめるように絡まっている それはたしかにひとつの形を留めてはいたが 色彩と線で創りあげられた この圧倒的なまでの感覚には 到底触れることもなく またしてもそれはおそらく陽のあたることもないまま 狂気にも衝動を通過して 儀礼的に眠りの一途をたどる 名前のつかない現実の一部分となって