パ行

カラダにたまった熱が
窓から入る夜風によって
静かに冷やされていく
自分先行の言葉が
ぼくの手足を縛り
そして頭の中を
見えないほど細かく
分解していく
一見してそれは
変わりのないもので
ぼくは夜風にいつもどおり触れる
しかしぼくはもう
まるで違う装いをしている
ひとつとして繫がっている場所は
頭の中には存在しない
見た目はなんら変わりなく見えるというのに
まるで違う装いをしている
今一番必要なものは
パ行だと悟るほどに