真ん中 この広大な大地の ここは真ん中だと思っていたが 確かにここはこの大地の真ん中ではあったが 実際は本当の大地の端っこで 本当の大地は 本当の世界の一部だった 僕はおそろしくなって 目を必死に開けたが 世界はまた別の世界をつくりあげ その世界の中心は 真っ黒で真っ白な空洞だった 主観はひとつではない 複数がひとつになって主観なのだ 実際のところ この大地は 世界のなかの空想であって 端っこも中心も 最初からなかったのだった