夜の虫が鳴く季節、半分の月

どこかへいった
わたしの感受性

台所の流しを行く
残された食事のあとのように

まるでなにもなかったかのように

さらさらと流れ
存在が失われていく

まるでなにもなかったかのように

どこかへいった
わたしの感受性

取り戻す術は
わたししか知らないが

まるでどこにもなかったかのように

夜の虫が鳴く季節を走る
見え隠れする半分の月を頼りに