景色のキオク

なんねんまえ
キオクをさかのぼると
景色がひろがっていく

あるいた道
つないだ手
かぶっていた帽子
していた時計

なんねんまえ
たしかにあった
あのときの景色が

やわらかな涙とともに
ぼくのなかにあった

さようなら
電車からの夕暮れ
さようなら
哀しみの坂道