スポットライト

スポットライトに照らされて
こんなにも多くの人に見つめられ
かといって頭のなかは知れずに
はしゃいでみたり
叫んでみたり
声をかけてみたり
ふてくされてみたり
それは表現の一部であって
本当の気持ちは互いに感じることもなく
ギターに反射する光がまるで
品定めのルーレット
途切れ途切れの手拍子は
天井の高さに吸い込まれてしまい
規則的に見上げてみるも
鳴り止むことのない音楽
一体どれほどの想いがあるのか
あるいはないのか
スポットライトの先には
わたしたちの知らない世界があるのだろうと
それぞれに想像するがきっと
人間ひとりと人間ひとりの
重なりすれ違い
帰る場所はそれぞれ違ったりする
悩みも笑いも
違うもので語り尽くされ
現実も夢もそれぞれになっていく
そしてまた繰り返される
いつかまたどこかで
スポットライトの下にでも