最初で最後の駅 帰り道に三百円のかけそばをたべた 生のネギが乗っているだけのかけそば 卓上の七味唐辛子をかけて 割り箸でそばをすする つゆまで飲み干そうとしている頃 少年がひとり一杯のかけそばをたべていた 箸の使い方がまだ不慣れだったけれど とても美味そうにそばをたべた 外に両親か兄弟がいるのかもしれない 小さな旅の目的地かもしれない 空のどんぶりの中に 数滴の水分を残して わたしは改札へと向かった