愛してやまない今日の終わりに
わたしのあの子はいなかった
食いしばって仕事した日も
あきらめて呆然とした日も
夢がなくて失われる現も
金がなくて失われる現も
ただ想えば
わたしのあの子はどこにもいない
指についた生クリームを舐めて
悲しいと嘆いたり
ほどけた靴ひもを見て
泣き出しそうなときも
愛してやまない今日の終わりに
わたしのあの子はいなかった
今日一日の発見と偶然と
それからなにもないあれこれを
わたしは
愛してやまない今日の終わりの
あの真っ青で
不埒な夜の入り口の空に
泪して泣いていた