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行方知らず

美しい人が
わたしの目にとまった
明け方の白さと
夕暮れ時の青さを
身に纏ったようだった
その夜
強い風が窓を揺らした
そして翌日は雨が降った
傘を差して街を歩いた
途中コーヒーを飲み
そのまた途中たい焼きを食べた
家に戻ったとき
不意に電話が鳴った
そこには友人の名前が出てきたが
雨の音に紛れてやがて聞こえなくなった
ガラス窓に映る
わたしを見る
あまり美しくはないなと思った
今日の夕暮れは
まるで夜のようで
わたしの一日は
まるで過去のようだった