ふと
もう必要のないものだったと感じることがある
浴槽の栓を抜いて
さっきまであったお湯がどんどんとなくなって
しまいには空っぽになるみたいに
それは徐々に
という表現がもしかしたら正しいのかもしれない
でも
ふと思うのだ
もう必要のないものだったのだと
あんなにも大事にしまっていた
宝箱入れの中身は
今となってはほとんどガラクタ
最高の駄菓子は
食べなくて良くなった
ふと
ここがどこだかわからなくなる
波が砂を掴んで連れ去る
鳥が木の実を啄ばんで連れ去る
星が崩れて流れ落ちる
年号と現実世界は
おそらく一致していないだろう
つまりその
夜中にドライブでもしようか
そういう種類の話