溜息

電波がわたしの脳内に入り込んで
時間と言葉が夜の空へ消えていく
溜息でわたしは死なないけど
あなたの一部は殺せる
電車から零れ落ちる景色と
誰もいない都会の片隅
置き去りにされたコップ酒と
使わなくなったファッション誌
熱を帯びたわたしの胸に
アイスクリームが溶けていく
全ては妄想
見上げた天井はなにも変わることがなかった