エーヴィヒ

求めることは
諦めることと似ている
あの服が欲しい
あの靴が欲しい
でもそれらは着られないかもしれない
あのケーキが食べたい
あのドーナツが食べたい
でもそれらは売り切れかもしれない
あの子に会いたい
あの場所へ行きたい
でもそれらはすでに失われているかもしれない
左手に出現したスイッチを押して
三秒間息を吸ったり吐いたりして
押しても倒れない位置で
引いても倒れない位置で
きみは海を眺めていたんだって
冬の終わりのはじまりに
やっと気がついた
真っ只中はいつも
永劫回帰