概念

夜更け
コーヒーに口をつけて
ひとしきり
今日の出来事を考えてみた
やたらと濃い時間が過ぎていった気がしたのに
思い返してみると
ありふれた日常のほんの一部でしかなかった
恋人と連絡を取り
友人と飲みに出かけた
古本屋で本を漁り
コーヒーショップでドーナツも食べた
帰り道に寄ったコンビニで
アイスクリームを買おうと思ったがやめた
大したことはなかった
恋人との電子的な会話も
友人との上っ面な会話も
なにも大したことはなかった
今日一日で一番重要だったのは
たべたかったドーナツを
タイミングよくたべることができたということ
それ以外はまるで大したことではない
彼女とそして彼らは
僕の本当を知らないし
僕も彼女と彼らの本当を知らない
植えつけられていく概念を
忘れていくように
こうして
ひとりきりで
眠ろうとしている