月別アーカイブ: 2018年9月

泣き終わる頃

夏が終わる
そこはかとなく

夏が終わる
雨に打たれて

きみは僕の肩で泣いた
だってそれはかなしいから

大きな木の下で泣いた
とめどなく

西の空に虹がかかり
ちいさな飛行機は異国へ帰る

夏が終わる
ありふれながら

夏が終わる
ひとつの恋も実らぬまま

引き出しにはまだ
着ていないTシャツがあるというのに

宛てどころ不明のまま
移り変わっていく毎日に

いつしか蝉も
鳴くのをやめた

夏が終わる
きみが泣き終わる頃に

夏が終わる
例えようもなくありふれながら