返り道

帰り道
橋を渡って音楽かけて
だれもいない
隣に声をかけて
もう太陽はさようならをしていて
つけたばかりの煙草を消して
また夕暮れのような気がして
西の空を仰いだけれど
そこにはだれもいなかった
コンビニでビールを買っていこうって
思うだけで救われる一日ってちょっと最低で
でもいつかのあの日よりましなのかなって
そんな時間のごまかしに
救われていたいから
アスファルトの編み目を
数えながら歩くようにしている
この瞬間がどこでもないように
煙草の箱をそっと握りつぶした