おとな

眠るまえに
トイレに行くことは
母から教わった
おしっこしてから寝なさいと
言われて
今はだれに言われることもなく
トイレに行ってから眠る
当たり前になったことのひとつ
帰ったらうがい手洗いをすること
あいさつをすること
行き先を告げること
それから嘘をつかないこと
当たり前のことを
教えてもらった記憶
夜中なんて
想像もつかなかった
当たり前に眠っていた
夜の9時に
今は夕飯をたべていたりする
大人の時間を
過ごすようになったらしい
当たり前は大人になると
いとも容易く崩壊して
大人都合の当たり前へ変わる
夜の音が聞こえてくる
絶対的孤独の睡眠へと入っていく
ほんの数秒に
想いを馳せた