夢み

悲しみも欲望であったり
使い古した記憶に泣いて

このからだは誰のものでもないから
太ったり痩せたり繰り返すところ

単純をなんとか整理して
複雑に絡めとって仕事するまで

一秒がどこにも満たないから
無数の一秒が現れる

実際は
百年分の夢みたいだ

ぼくは結局生きているだけの夢

いい加減の文字の運びで
退屈を吹き飛ばしても

痛快に進んでいく
日常の人々と会話

自尊心なんて
薬にもならないのだから

一秒ごとに変わる表情で
ごまかして楽になればいい

百年分の夢の中は
どこまでも隔たりがないから

朝日と夕日が
たまに入れ違ったりする

ぼくも結局生きている途中