古くなった歯ブラシ

詩をかこうとおもいながら
台所に立ったら
古くなった歯ブラシで掃除がしたくなった
あまりに熱中して掃除をするせいで
僕を通過しようとしている詩は
少し上のパーキングエリアで休憩していた
その休憩でお腹を満たしたのか
トイレを済ませたのかは知らないけれど
古くなった歯ブラシで落とした汚れは
さらさらと消えてなくなって
ちょうどお昼のチャイムが鳴った
カラスだって啼いた
なにかを作ってたべて
珈琲をいれてのむのもいいけれど
掃除のあとに詩を書いた
いや、詩を詠んだ
僕のからだを通過した詩は
少し先のジャンクションで迷っている