とりとめ

そこになにもないという
事実と魂胆しかない
という分け隔てのない秩序が入り交じっている
携帯電話を手に取って眺めて
着信も発信もないままに
わたしは日がな一日ぼんやりしてしまう
だってそこにはなにもないから
レスポンスばかりに気になっても
仕方ないであろうに
わたしは丸眼鏡の越しに
だれかからの問い
それから答えを待ちわびる
ああ無下にしたい
ああ興奮したい
ああ堕落したい
こたつにもぐって数時間
わたしの右足は痺れている
つまるところ今は
夕方にむかって欠伸が出る
積み重ねられた本を
ひとつひとつ読み解いて尚
満たされない欲望とか
渇いていく言葉とか
テレビから笑い声が幾許か聞こえるまま
一日を衰退させて
わたしからあなたの距離分