歌ばかりうたっていた日

きみを迎えにいく
ただ一度だけ踏み込んだ
アクセルで

過ぎ去っていく
一部を捉えることはできずに
こうして走馬灯はできあがっていくのだと

うしろから満月を追いかけて
霧のような雨に濡れる

きみを迎えにいく
たった一度の人生だからと
侮るから

(無条件の苛立ちは私の影みたいなものだった)

一日に意味をつける必要は
どこにもなかった

歌ばかり
うたっていた日