もう一歩

でんしんでんわのむこうから
世界を隔てた声が聞こえる

乾いた路上のあちらとそちらから
夢と孤独の音がする

まったくもって
まったくもって尚

車の速度が変わらずに
真夏の温度はあがる一方

ただでさえ
ただでさえ今

魂ふるえたまんま
言葉たずさえたまんま

にんげんまで
もう一歩