無自覚

コンビニまで
歩いていく
その道のなかで
公園があって
そこにブランコがあって
子どもたちがいて
自転車があって
忘れ去られたジャングルジムがあって
空気不足のボールが転がっている

わたしは本当の美しさを知らないから
全身で呼吸したりしてみるのだけれど
目の前のものがあまりに気になってしまい
自覚的に歩いてしまう

ただ公園に行けばよかったことが
公園に行こうと思わなければならなくなり
愛するということが
特別な意識の上に成り立つような気になり

無自覚に顔をしかめていることに
気がつきおののいて
コンビニへ行くのはやめにした
吹き出した汗を
手の甲でぬぐって
少し早足で坂を下る

この道の先に海が見えたなら
どんなにいいのだろう
と思ったが
思わなかったことにした