朝食難民

形などないものに
名前を与えようと必死になり
もがきながら夢から覚めた

ありきたりで
あたりまえの朝だったが
休日の朝だった

朝食がないので
散歩に出る
ほとんどパジャマのような格好で

すれちがう小学生もいない
あわただしくアクセルを踏む音もしない

途中
小さな公園のブランコに
小さな鉛筆があり
そこに小さな落書きがあった

悪口でも
ハートマークの傘でもなく
文字がひとつ書いてあっただけだった

それらすべてを
愛おしいと思うけれど
それらすべては
味方でも敵でもない

それを書いた人も
味方でも敵でもない
この近くに住んでいる人の
ひとりにすぎない

わたしの朝食は
まだ遠い